三大レーベル、AI音楽スタートアップ「Klay」と個別ライセンス契約

ユニバーサル・ミュージック、ソニー・ミュージック、ワーナー・ミュージックの三大レーベルとそれぞれの出版部門は、AI音楽スタートアップ「Klay」と個別にライセンス契約を締結した。三大レーベルが同じAIスタートアップと契約するのは初めて。

ワーナー・ミュージック・グループ(以下、WMG)はKlayについて、「ファンが音楽体験を自由にカスタマイズでき、参加するアーティストやソングライターが正当に評価され報酬を受け取る新しいサブスクリプションサービス」と説明。また、KlayのAIはライセンス済み音楽のみで学習しており、すべての独立系アーティスト、レーベル、ソングライター、出版社も対象に含める取り組みを進めている。ユニバーサルは10月28日に戦略的パートナーシップを発表し、倫理的かつ商業的に先駆的なモデルを共同開発するとしている。

WMGのロバート・キンクルCEOは、AI契約に関する「譲れない三原則」として「ライセンス済みモデルのみの使用」「音楽の価値を反映した経済条件」「アーティストの同意による名前や声の利用」を挙げ、「音楽制作の民主化に向けた次のイノベーション段階に入る」と述べた。

未承諾音楽のAI学習はこれまで批判や訴訟の対象となっており、昨年6月には全米レコーディング協会が三大レーベルによるUdioとSunoへの訴訟を発表。ユニバーサルとWMGはいずれも和解に至った。Klayのサービス開始日は未定で、ウェブサイトには「Music Set Free」のキャッチフレーズとウェイトリスト登録リンクのみが掲載されている。

参照:Variety