トム・クルーズ、名誉オスカー受賞 スピーチで語った“映画という芸術の力”

トム・クルーズは2025年11月16日、ロサンゼルスで開催された第16回ガバナーズ賞(Governors Awards)においてアカデミー名誉賞を受賞した。授与式は映画芸術科学アカデミー主催で、レイ・ドルビー・ボールルームにて行われた。

授賞者は、クルーズと今後の映画で共演する予定のアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督。スピーチの中でクルーズは、映画が持つ「人々をつなぐ力」に言及。「映画は私を世界中に連れて行き、違いを理解させ、私たちが共有する人間性を映し出す」と述べた。そして、「どこから来ても、観客は劇場ですべてを共有する。それがこの芸術の力だ」と強調し、最後に「映画を作ることは仕事ではない。自分そのものだ」と締めくくった。

また、クルーズは幼少期に暗い映画館で映画と出会った思い出も語った。「暗闇の中、スクリーンに差し込む一筋の光線を見て、世界が自分の知っていたものよりもずっと広いことに気づいた」と振り返った。

アカデミー名誉賞の受賞は、彼にとって初めてのオスカー像となる。これまでに出演・製作を通じて何度もノミネートされてきたが、勝利には至っていなかった。

この夜のガバナーズ賞では、振付師のデビー・アレンやプロダクションデザイナーのウィン・トーマスも名誉賞を受け、ドリー・パートンには人道賞(ジーン・ハーショルト賞)が贈られた。

参照:Variety