映画・テレビ業界、AI導入が注目 ― アメリカ映画市場で議論活発化

映画・テレビ業界におけるAI活用が急速に広がる中、アメリカ映画市場(以下、AFM)のカンファレンスではAIが主要な議題となった。今年のプログラムでは、「制作から配信までを変革するAIプラットフォーム」や「実用的なAI活用事例」を紹介するセッションが数多く設けられている。

AFMは、カンヌ国際映画祭のマルシェ・デュ・フィルムと協力し、新設された「Innovation Hub」でAI関連の最新技術や活用方法を紹介する場を提供。オセリア・テクノロジーズは、脚本管理や物語構造の可視化を支援する非生成型AIプラットフォームとして登壇する予定で、制作効率向上の可能性が期待されている。

サイネリティックもまた、映画・テレビ制作におけるデータ分析と予測分析を提供し、作品の収益性やリスク評価の補助を行うAIとして注目されている。

さらに、Netflixの共同CEOであるTed Sarandosは、AIを創造性の補助ツールとして活用する方針を示し、「AIは創造性を置き換えるのではなく、物語制作をより迅速かつ多様な方法で支援する」と述べた。

業界関係者は、AIの導入が制作効率の向上やコスト削減に寄与し、新しいプロジェクトの創出を後押しする可能性を期待している。今後も、AIが映画・テレビ制作に与える影響は重要な議題であり続ける見込みだ。

参照:Screen Daily