南米を代表する映画・テレビ業界イベント「サンフィック・インダストリア(Sanfic Industria)」が、新たに2つの部門を立ち上げることを発表した。ラテンアメリカの映像制作における多様性促進と国際的な発信力の強化を目的としており、チリ発の映画産業ネットワークが次の段階へ踏み出す。
目玉となるのは、クィアをテーマとした物語やLGBTQ+の監督・脚本家を支援する開発プログラム「クィア・インキュベーター:ラテンアメリカ」。ラテンアメリカ全域から6つのプロジェクトを選出し、業界の専門家がメンターとして、反体制的・非規範的な視点を持つ作品づくりを指導する。
もう一つの新部門「チリ・インダストリー・アカデミー」は、スイスのロカルノ映画祭との連携によって設立。映画制作よりもむしろ、配給・編成・マーケティングといった実務的分野に焦点を当て、経験豊富な業界関係者による実践的な講義が行われる。参加者の多くはすでに配給会社などで活動するプロフェッショナルであり、このアカデミーの創設により、2025年以降のサンフィック・インダストリアはさらなる国際的影響力を獲得すると期待されている。
ディレクターのガブリエラ・サンドバル氏は、「健全な映像産業は、多様な声と公平な機会によって築かれる」と語り、「クィア・インキュベーターの導入は、より包摂的で代表性のある業界への私たちの取り組みを強化する」と強調した。
参照:Variety