TikTokファン編集が映画マーケティングの新たな武器に:ライオンズゲートが実験

近年、映画業界では公式予告編や広告だけでなく、ファンによるTikTok編集動画がマーケティングの重要な役割を果たすようになっている。ライオンズゲートは、この新しいトレンドに注目し、熱心なファン編集者を公式に雇うという実験を始めた。

もし映画の予告編が、フィルターや巨大なネオン文字を使い、人気の音楽に合わせて作られ、さらには制作がフィリピンやブラジルのティーンエイジャーによるものだったら?そして、そのストーリーが必ずしも映画本編と一致していなくても、多くの視聴者は楽しむことができる。
TikTokでは、こうしたファン編集動画がすでに人気だ。映画やテレビ番組のクリップを人気楽曲に合わせて編集したモンタージュで、ハイライトリールのようなものから、ミーム的表現、原作のトーンを大胆に変えたファンタジー的解釈まで、種類はさまざまだ。たとえば「#SydCarmy」のハッシュタグには、『The Bear』の二人のプラトニックな主人公をロマンチックに描いたいくつもの編集動画が投稿されている。

このような熱心なファンの創作力を活用することで、スタジオは従来の広告手法では届きにくい若年層やSNS世代へのアプローチを強化できる。ライオンズゲートは、こうした非公式コンテンツを公式のマーケティング戦略に組み込むことで、映画の話題性や視聴者の関心を高めることを狙っている。

公式でないファンコンテンツが、映画の興行や認知度に影響を与える時代が到来した。TikTok上の創作活動をマーケティングに取り込むことで、映画スタジオは新しい形の「ファンとの共創」を模索している。

参照:Variety