アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した『No Other Land』が、配信会社MUBIとの契約を倫理上の理由から断り、米国で自主配信されることになった。作品は、イスラエル軍によるヨルダン川西岸マサファー・ヤッタでのパレスチナ人強制立ち退きを追ったドキュメンタリー。米国では当初配給先が見つからず自主劇場公開されたが、批評的評価を受けて興行収入は250万ドルに達した。
制作チームは、MUBIがイスラエル軍と関係を持つ防衛テック企業への投資会社と提携していることを理由に契約を拒否。「イスラエルの占領と抑圧を描いた映画を、その抑圧に関わる企業と協力して配信するのは不条理だ」と共同監督のユヴァル・アブラハム氏は述べた。作品の収益はすべて、劇中で描かれたパレスチナ・マサファー・ヤッタの地域コミュニティに寄付される予定だ。
日本では、トランスフォーマー配給で今年2月に劇場公開され、すでに複数のストリーミングサービスで配信されている。
参照:The Guardian