MUBIがイスラエル関連VCからの資金で批判の的に

配信から製作・配給まで手がける、映画文化に特化したグローバル・プラットフォーム、MUBIが、イスラエルの防衛産業と関係するベンチャーキャピタル(VC)からの出資を受けたことで、国際的な批判に直面している。

問題視されているのは、MUBIが昨年受けた約5,000万ユーロ規模の投資。出資元であるSequoia Capitalは、米シリコンバレーを拠点とする著名なVCだが、その投資先のひとつにイスラエル国防軍(IDF)とつながりを持つ防衛AI企業「Kela」が含まれていた。これを受けて、国際的な映画制作者ネットワーク「Film Workers for Palestine」などが、MUBIに対し強い抗議声明を発表している。

MUBIはこの件に関し、「我々の使命は映画作家の声を届けることであり、出資者の個別的なビジネスは当社の価値観とは無関係」とする声明を出した。さらに、対象の投資は「事業拡大のためのもので、文化的独立性を損なう意図はない」と説明している。

一部の映画祭や文化団体はMUBIとの関係を見直す動きを見せており、今回の問題は“文化と資本”の関係を問う象徴的なケースとなっている。

参照:The Guardian