その91年の生涯で、500作品以上もの映画・TV作品の音楽を手がけた映画音楽界の巨匠、エンニオ・モリコーネ(1928-2020)。
昨年劇場公開されたジュゼッペ・トルナトーレ監督によるドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』(21)での大きな感動と称賛を経て、3/22(金)から彼の出世作であり代表作の『荒野の用心棒』(64)『夕陽のガンマン』(65)『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(66)の“ドル3部作”が4K劇場リバイバルされるなど、いま再びモリコーネ・リスペクト、再評価の動きが高まっている。
これらの動きに連動するかたちで、4/19(金)より『モリコーネ 映画が恋した音楽家』でも印象的に取り上げられた『死刑台のメロディ』(71)の4Kリマスター版と、今回待望の日本初公開となる『ラ・カリファ』(70)の2作品を、『エンニオ・モリコーネ特選上映 Morricone Special Screening×2』と題して上映することとなった。
1920年代のアメリカで実際に起こった悪名高き冤罪事件“サッコ=ヴァンゼッティ事件”の人種的、思想的差別と偏見に満ちた裁判を描き、リカルド・クッチョーラが迫真の演技で1971年度カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞した『死刑台のメロデイ』は、モリコーネの音楽とジョーン・バエズの歌が心を撃つ名作。今回4Kリマスター・英語版で鮮やかにスクリーンに甦る。
一方、今回日本初公開となる『ラ・カリファ』(70)は、かつての仲間だった工場長とストライキの女性リーダーの禁断の恋を描き、最盛期のロミー・シュナイダーが許されぬ恋におちる女性を体当たりで演じた社会派メロドラマ。本作のテーマ曲は、数あるモリコーネのスコアの中でも人気上位曲として知られている。
2024年4月19日(金) より、新宿武蔵野館、アップリンク京都、ほかで上映中。
【詳細】
タイトル:『エンニオ・モリコーネ特選上映 Morricone Special Screening×2』
公開表記:2024年4月19日(金)より 新宿武蔵野館ほか全国順次公開
公式サイト:https://www.morricone-ss.com/
配給:キングレコード
エンニオ・モリコーネ
ENNIO MORRICONE
1928年ローマ生まれ。幼少の頃からトランペットを習い、その後サンタ・チェチーリア音楽院で作曲を学ぶ。卒業後はイタリアRCAレコードの看板アレンジャーとして活躍し、61年『ファシスト』(未)で映画音楽家デビューを飾った。セルジオ・レオーネ監督の“ドル3部作”(64~66)で注目を集め、同監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(84)で映画音楽家としての地位と名声を確立した。
その後も『ミッション』(86)『アンタッチャブル』(87)『ニュー・シネマ・パラダイス』(88)『バグジー』(91)『海の上のピアニスト』(98)『マレーナ』(00)など数々の名作でその才を発揮。アカデミー賞作曲賞に6度ノミネートされ、『ヘイトフル・エイト』(15)でついに受賞を果たす。その91年の生涯で500本以上もの映画・テレビ音楽を手がけた。2020年ローマで死去。
2023年には愛弟子で親友のジュゼッペ・トルナトーレ監督によるドキュメンタリー映画『モリコーネ映画が恋した音楽家』(21)が公開された。 映画が恋した音楽家』(21)が公開された。
予告編
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■上映作品
死刑台のメロディ 4Kリマスター・英語版
SACCO E VANZETTI
モリコーネの音楽とバエズの歌が心を撃つ─。
カンヌ国際映画祭最優秀主演男優賞受賞の名作実話ドラマが
4Kリマスター・英語版で待望の劇場リバイバル!
1920年代のアメリカで実際に起こった悪名高き冤罪事件“サッコ=ヴァンゼッティ事件”。その人種的、思想的差別と偏見に満ちた裁判の一部始終を、ジュリアーノ・モンタルド監督が冷徹に映画化。サッコ役のリカルド・クッチョーラが迫真の演技で、1971年度カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞した。名匠エンニオ・モリコーネが音楽を手がけ、彼の代表作のひとつに数えられている。また本作に賛同した活動家で歌手のジョーン・バエズが主題歌(「勝利への讃歌」)と挿入歌(「サッコとヴァンゼッティのバラード」)の2曲を哀悼を込めて歌い、話題となった。
監督・脚本:ジュリアーノ・モンタルド 撮影:シルヴァーノ・イッポリティ 音楽:エンニオ・モリコーネ 主題歌:ジョーン・バエズ
出演:ジャン・マリア・ヴォロンテ、リカルド・クッチョーラ、ミロ・オーシャ、シリル・キューザック、ロザンナ・フラテッロ
1971年/イタリア/ドラマ/原題:SACCO E VANZETTI/125分/カラー/ビスタサイズ/DCP/英語モノラル
©UNIDIS JOLLY FILM
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ラ・カリファ
LA CALIFFA
モリコーネの甘美なメロディが心に沁みる─。
最盛期のロミー・シュナイダーが許されぬ恋におちる女性を
体当たりで演じた社会派メロドラマが、待望の日本初公開!
かつての仲間だった工場長とストライキの女性リーダーが禁断の恋におちてゆく社会派メロドラマ。32歳の女盛りを迎えた凛々しいロミー・シュナイダーと、『Mr.レディ Mr.マダム』シリーズのウーゴ・トニャッツイが大人の恋を演じる。本作のテーマ曲は、数あるモリコーネのスコアの中でも人気上位曲として知られているが、映画自体は日本ではずっと未公開のままだった。今回ファン待望の日本初公開が実現する。監督は脚本家として活躍し、本作で監督デビューを飾ったアルベルト・ベヴィラクア。
★1971年度カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品 ★1971年度デヴィッド・ディ・ドナテッロ 主演男優賞受賞(ウーゴ・トニャッツイ)
監督・脚本:アルベルト・ベヴィラクア 撮影:ロベルト・ジェラルディ 音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ロミー・シュナイダー、ウーゴ・トニャッツイ、マリーナ・ベルティ、マッシモ・ファネッリ、ロベルト・ビサッコ
1970年/イタリア・フランス/ドラマ/原題:LA CALIFFA/112分/カラー/ビスタサイズ/DCP/イタリア語モノラル ©1970 RTI