⼩説、詩、舞台、絵画、映画、あらゆるジャンルの垣根を⾶び越えて活躍し、⽇本の多くの作家・芸術家にも影響を与えた、フランスが⽣んだ究極のアーティスト、ジャン・コクトー。
⽇本では⼩説や詩が堀⼝⼤學に訳され、三島由紀夫や堀⾠雄、寺⼭修司や澁澤⿓彦と多くの作家たちに影響を与えた。
そして、2023年はそんな彼の没後60年にあたる。
昨年12月30日(金)からYEBISU GARDEN CINEMAにて開催されている『没後60年 ジャン・コクトー映画祭』が、アップリンク吉祥寺では2月10日(金)より、アップリンク京都でも2月17日(金)より上映される。
【映画祭詳細】
タイトル:『没後60年 ジャン・コクトー映画祭』
期間・劇場:詳細は公式サイトをご覧ください
公式サイト:http://jcff.jp/
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
予告編
■上映作品
『詩⼈の⾎ 4K デジタルリマスター版』
©︎1930 STUDIOCANAL
1932年/フランス/モノクロ
コクトーの映画処⼥作にして、サルバドール・ダリ×ルイス・ブニュエルの『アンダルシアの⽝』(1928)と並ぶアバンギャルド・カルト・クラシック!四つのエピソードからなる本作にはギリシャ神話の要素や鏡、雪合戦といった後の『オルフェ』や中編⼩説「恐るべき⼦供た
ち」と共通する描写が散りばめられ、挑戦的な特殊効果によって事物が神秘的に息吹くさまを表現している。
『ブローニュの森の貴婦⼈たち デジタルリマスター版』
© 1945 TF1 Droits Audiovisuels
出演:ポール・ベルナール、マリア・カザレス、エリナ・ラブルデット
1944年/フランス/モノクロ
孤⾼の映像作家ロベール・ブレッソンがドゥニ・ディドロによる⼩説「運命論者ジャックとその主⼈」を原作に脚⾊、トリュフォーやゴダールたちに多⼤な影響を与えた。当時無名だったブレッソンの為にコクトーは台詞監修のクレジットを引き受けたという。
『美⼥と野獣 4K デジタルリマスター版』
©︎ 1946 SNC (GROUPE M6)/Comité Cocteau
出演:ジャン・マレー、ジョゼット・デイ、ミラ・パレリ
1946年/フランス/モノクロ
時代を超えて何度も映像化され、愛され続ける御伽噺<美⼥と野獣>を初めて実写映画化したのはコクトーだった。当時の恋⼈で⻑年の公私におけるパートナー、ジャン・マレーを野獣/王⼦に抜擢し、息をのむほど艶やかで仄かな官能が⾹りたつ幻想譚を⽣み出した。豪奢なコスチュームや耽美で独創的なインテリアといった、魅⼒的な美術デザインを担当したのはディオールやシャネルとも仕事を重ねたクリスチャン・ベラール。
『オルフェ デジタルリマスター版』
© 1950 SND (Groupe M6)
出演:ジャン・マレー、フランソワ・ペリエ、マリア・カザレス、マリー・ディア
1950年/フランス/モノクロ
死んだ妻に会うために冥界へ向かう男の悲恋を描いたギリシャ神話のオルフェウス神話も、コクトーの⼿にかかれば、1950 年代のパリにて死の王⼥に思いを寄せる詩⼈の物語へと変⾝する。主⼈公オルフェを演じるのはジャン・マレー。死の王⼥役には『ブローニュの森の貴婦⼈たち』、ジェラール・フィリップと共演した『パルムの僧院』(1948)で知られるマリア・カザレス。異界の美しい住⼈を圧倒的な存在感で演じ切り、説得⼒を与えている。