マーラー

1974年カンヌ映画祭フランス映画高等技術委員会賞受賞作品。オーストリアが生んだ大作曲家グスタフ・マーラーが、狂気に陥っていく様を描いた伝記映画。2011年に他界した鬼才ケン・ラッセル監督が尖鋭的なタッチで描く。作中ではマーラー作曲のクラシックがふんだんに使用されている。マーラーは、妻アルマとの列車旅をしながら、幼少期の体験、反ユダヤ主義による迫害体験、結婚、長女の死などを回想していく。

1911年、ウィーンに帰るために乗った列車の中、妻アルマのそばに座る音楽家マーラー。しかし、20歳近くも若い妻の心は、夫マーラーに対して冷ややかだ。未完の交響曲を仕上げたいマーラーの脳裏をよぎる、過去の記憶の数々。貧しい一家に2番目の子どもとして生まれ育ちながら作曲に興味を持った少年時代、アルマとの出会い、ユダヤ人であるがゆえに差別や中傷を受けたこと、そしてキャリアのために迫られた決断など……。

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