『ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ リプリーズ』アップリンク京都で2023年7月14日(金)より上映

ジョン・カサヴェテスは、ハリウッドの商業主義に対抗し、公私ともに最良のパートナーである女優ジーナ・ローランズや信頼できる仲間たちと「自分の撮りたいものを撮る」という信念のもと、自身の俳優活動で得た収入を注ぎ込んで映画を製作し、インディペンテント映画の可能性を知らしめた。普遍的な「愛」をテーマに、人間の内面に潜む「孤独」や「狂気」をすくいあげ、人間の真の姿を追求し続けたカサヴェテスの実験的な演出によって生み出される俳優たちのありのままの姿は、台詞に出さずともその心の痛みが聞こえるほどに生々しく、観る者の感情を大きく揺さぶる。今回のレトロスペクティヴは、カサヴェテスが世に残した監督作品11本の中から代表作6本を一挙に上映。

ジョン・カサヴェテス監督プロフィール


© 1974 Faces International Films,Inc.

1929年12月9日、アメリカのニューヨークで生まれる。妻は女優ジーナ・ローランズ、長男ニックと次女ゾエは、映画監督として活躍。カサヴェテス監督は、テレビや映画で俳優としてもキャリアを積んだ後、出演したラジオ番組中の呼びかけで集まった資金を元手に制作した『アメリカの影』(1959年)で監督デビュー。『こわれゆく女』(1974年)でジーナ・ローランズがゴールデングルーブ賞最優秀女優賞(ドラマ)受賞。『オープニング・ナイト』(1977年)では、ベルリン国際映画祭でジーナ・ローランズが主演女優賞に輝き、『ラヴ・ストリームス』(1984年)では、同映画祭の金熊賞を受賞。自らが俳優として得たギャラを制作費として注ぎ込みながら、素人とプロの俳優を共演させるなど、大手スタジオの介入がない自主制作による映画作りを信念とし、独自の映画世界を切り開いた。「インディペンデントの父」と呼ばれ、後世の映画監督たちに大きな影響を与える存在になる。1989年2月3日、肝硬変のためロサンゼルスの病院にて59歳で他界。

 

■上映作品<長編6作品>

『アメリカの影』


マンハッタンに暮らす若者たちのありのままの姿を描いた、カサヴェテスのデビュー作にして、後の映像作家たちに大きな影響を与えたインディペンデント映画の金字塔。シナリオなしの即興演出で、俳優たちの揺れ動く感情を見事に捉え、映画の新たな方向性を確立した。大のジャズ好きだったカサヴェテスが依頼したチャールズ・ミンガスの即興演奏もスタイリッシュで魅力的。

監督:ジョン・カサヴェテス
出演:ベン・カラザース、レリア・ゴルドーニ、ヒュー・ハード
音楽:チャールズ・ミンガス
英題:SHADOWS/1959年/アメリカ/82分/モノクロ/スタンダード
© 1958 Gena Enterprises.

 

『フェイシズ』

関係の破綻した中流アメリカ人夫婦の36時間を描く。男女の愛の葛藤を描いたカサヴェテス一連の作品の原点。自宅を抵当に入れて撮影した監督第2作。アカデミー賞3部門(脚本賞、助演男優賞、助演女優賞)にノミネートという成果を挙げ、ハリウッドにその存在を認知させた革命的傑作。ヴェネチア国際映画祭で最優秀主演男優賞を受賞。

監督・脚本:ジョン・カサヴェテス
出演:ジョン・マーレイ、ジーナ・ローランズ、シーモア・カッセル
撮影・編集:アル・ルーバン
英題:FACES/1968年/アメリカ/130分/モノクロ/ヴィスタ
© 1968 JOHN CASSAVETES

 

『こわれゆく女』

 

精神のバランスを崩した妻と、土木工事の現場監督を務める夫。壊れかけそうな家庭を繋ぎとめようとする夫婦愛を描いたカサヴェテスの代表作の一つ。脚本はジーナ・ローランズ主演の戯曲として執筆。ゴールデングローブ賞最優秀女優賞(ドラマ)受賞。アカデミー賞主演女優賞、監督賞ノミネート。

監督・脚本:ジョン・カサヴェテス
出演:ジーナ・ローランズ、ピーター・フォーク、マシュー・カッセル
製作:サム・ショウ
音楽:ボー・ハーウッド
英題:A WOMAN UNDER THE INFLUENCE/1974年/アメリカ/147分/カラー/ヴィスタ
© 1974 Faces International Films,Inc.

 

『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』

暗黒街のマフィア、ストリッパー、ナイトクラブ、犯罪。フィルム・ノワール的なテーマを持つカサヴェテス作品の中でも特異な1本。カサヴェテス映画の要の役者であり、公私ともに盟友のベン・ギャザラが、巨額の借金を背負いこみ事件に巻き込まれていく場末のクラブのオーナー・コズモを見事に演じ、圧倒的な存在感を示す。

監督・脚本:ジョン・カサヴェテス
出演:ベン・ギャザラ、ミード・ロバーツ、ティモシー・アゴリア・ケリー
製作:アル・ルーバン
撮影:フレデリック・エルムス
英題:THE KILLING OF A CHINESE BOOKIE/1976年/アメリカ/135分/カラー/ヴィスタ
© 1976 Faces Distribution Corporation.

 

『オープニング・ナイト』

一人の有名舞台女優を通して、人が「老い」を自覚し始めた時に感じる焦燥や不安を描いた作品。ベルリン国際映画祭で銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞したジーナ・ローランズの演技は必見。カサヴェテス作品の中で本作が唯一「夫婦役」として共演している。

監督・脚本:ジョン・カサヴェテス
出演:ジーナ・ローランズ、ジョン・カサヴェテス、ベン・ギャザラ
撮影・製作:アル・ルーバン
音楽:ボー・ハーウッド
英題:OPENING NIGHT/1977年/アメリカ/144分/カラー/ヴィスタ
© 1977 Faces Distribution Corporation


『ラヴ・ストリームス』

他人を愛することに不器用ながらも、愛や孤独をテーマにした小説を書く弟と、その深い愛ゆえに狂気に陥っていく姉の内面の荒廃を描く。「愛、孤独、家族」を主題にしたカサヴェテス映画の集大成ともいうべき傑作。ベルリン国際映画祭金熊賞受賞。

監督・脚本:ジョン・カサヴェテス
出演:ジーナ・ローランズ、ジョン・カサヴェテス、ダイアン・アボット、シーモア・カッセル
原作・共同脚本:テッド・アレン
撮影・製作総指揮:アル・ルーバン
音楽:ボー・ハーウッド
英題:LOVE STREAMS/1984年/アメリカ/141分/カラー/ヴィスタ
© MCMLXXXIV Cannon Films, Inc.

 

【ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ リプリーズ】

『ジョン・カサヴェテス レトロスペクティブ リプリーズ』予告編

公式サイト

2023年6月24日(土)渋谷シアター・イメージフォーラムにて開催
ほか全国順次ロードショー
7月14日(金)アップリンク京都

配給:ザジフィルムズ
宣伝協力:プンクテ